故乡gùxiāng(名)故郷、ふるさと
家乡jiāxiāng (名)故郷、ふるさと
“故乡”、“家乡”は、辞書の訳語では、どちらも日本語の「故郷」を指す言葉です。大まかに言えば同じ意味ですが、厳密な解釈では違いが有ります。
“故乡”は、自分が生まれ育った或いは長く住んていたが、今は住んでいない場所を指します。主に書面語で使われます。
“家乡”は、自分の家族(一族)が代々住んでいる場所を指します。自分が今も住んでいるかどうかは問いません。主に口語で使われます。
下記の2つの例文で比べてみましょう。
北京是我的故乡。
北京是我的家乡。
前者では、北京で生まれ育ったが今はもう住んでいないことを表しています。
後者は、出身地または原籍が北京である(一族が代々住んでいる)ことを表しています。
“故乡”という語には、故郷の北京に対する「懐かしさ」「郷愁」が込められている言ってよいでしょう。
台湾の歌手齐豫でヒットした流行歌“橄榄树”の歌詞に次のような一節があります。
不要问我从哪里来,我的故乡在远方
(どこから来たかは聞かないで、私の故郷ははるか遠く)
作詞者は台湾作家の三毛ですが、各地を放浪する女性の故郷に対する郷愁が描かれています。この歌詞の中で、“故乡”を“家乡”としたのでは、郷愁の念は出てこないでしょう。“故乡”はこうした語感を含んでいます。
『学習のポイント』
実際の会話の中で、自分の故郷(出身地)を言う場合は、“家乡”が使われることが多いようです。あるいは、それに近い“老家”(いなか)が使われます。