アベノ中国語道場

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【文化篇】 中国茶の世界

中国茶」とは、中国と台湾などで栽培され、生産されているお茶を指します。中国は茶の木の原産地として知られ、古くから飲茶の習慣が有りました。

中国茶には、その製法の違いから「六大茶(青茶・黒茶・緑茶・紅茶・白茶・黄茶)」とその他に分類されています。茶の木から取れる茶葉はもともと一つの種類ですが、それを様々な工程で製造することで、多くの品種を作りだしています。

 

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西湖龍井

中国茶の六大品種

 

青茶」は、茶葉の発酵過程で加熱することでを発酵を止めた半発酵茶で、ウーロン茶


が有名です。青茶は品種が非常に多く約800種あるといわれています。有名な銘柄は「鉄観音」です。また、台湾にも「凍頂烏龍茶」という銘柄が有ります。

「黒茶」は、麹菌を使って数ヶ月以上発酵させる「後発酵」という製法でつくられます。微生物発酵による独特のカビ臭が有りますが、熟成が進んだ年代ものの方が価値が高くなります。代表的なものに雲南省特産のプーアール茶が有ります。

「緑茶」は、収穫した茶葉をすぐに高温で過熱して発酵を防いだものです。日本茶の多くも緑茶であり、日本でもたくさん飲まれている品種です。中国では、杭州郊外の龍井村でつくられる「龍井茶」が有名です。

「紅茶」は、茶葉に含まれる酵素により発酵させた完全発酵茶です。「黒茶」とは製法が違うためカビ臭はありません。紅茶は中国から英国に伝えられて、今でも盛んに飲まれています。中国では安徽省の「祁門紅茶」が有名です。「祁門紅茶」は、英国では「キーマン」と呼ばれる高級銘柄とされています。

「白茶」は、発酵の度合いを抑えた弱発酵茶で、茶葉の芽に白い産毛が生えていることからこの名前が付けられました。福建省の「白毫銀針」や浙江省の「安吉白茶」が有名な銘柄です。日本ではあまり知られていませんが、緑茶のような渋みが少なく、大変美味しい品種です。

黄茶」は、緑茶と異なり、低い温度から徐々に加熱することで発酵させ、その後茶葉を牛皮紙に包む「悶黄」という独特な熟成工程を経てつくられます。代表的な銘柄には、湖南省洞庭湖付近でつくられる「君山銀針」が有ります。黄茶中国茶の中でも最高級に位置する品種です。

 

この他に、緑茶にいろいろな花弁の香りを茶葉に移した「花茶」が有ります。代表的なものに「茉莉花ジャスミン)茶」が有ります。「ジャスミン茶」は特に北方で好まれます。

 

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安吉白茶

中国での飲茶の歴史

 

中国で、いつ頃からお茶が飲まれるようになったかは定かではありませんが、漢代にはすでに飲まれていたようです。ただし、当時はお茶を薬として扱っていました。その後、南北朝の頃から徐々に一般に普及し始めました。茶葉を茶器に入れて飲む方法は明代の頃に完成し、現代に至っています。

中国文学者の吉川幸次郎氏によれば、宋代の詩(宋詞)にはお茶を詠んだ詩が多いそうです。逆に、唐代の詩(唐詩)には酒が多く出てきます(酒の詩は李白が有名です)。宋代には、貴族に代わって士大夫という官僚の知識階級が社会に台頭し始めました。士大夫はまた優れた文化人でもあります。当時の士大夫はお茶を飲んで頭を覚醒させ、詩や文、絵画などの創作に励んだのではないでしょうか。吉川氏も「茶は静かな興奮をもたらす」と語っています。

また、近代から中華民国にかけて、知識人の間では茶葉を小さな急須に入れて、それを直接口に付けてのむやり方が流行ったそうです。これも、新しいお茶の風習だと言えます。

 

現代中国の「飲茶文化」

 

中国では、基本的に茶葉を直接カップに入れ、お湯を注いで飲みます。したがって、カップには必ず蓋が付いています。お湯を注いだ茶葉は上に溜まりますが、それに息を吹きかけて上手に避けながら飲みます。急須と湯呑みのセットも有りますが、特別な来客の時にしか使いません。普段はカップに茶葉を入れて飲みます。

以前は、携帯用にお茶を持ち歩く場合は、インスタントコーヒーの空き瓶に茶葉とお湯を入れていました。タクシーやバスの運転手などは、よく車内にお茶入りの空き瓶を持ち込んでいました。現在は保温性に優れた小型の魔法瓶が普及しています。

改革開放が進んで経済が発達してくると、贈答用としてお茶が利用される機会が増えてきました。その場合、「鉄観音」や「君山銀針」などの高級な銘柄が多く選ばれます。最近では、贈答品の包装が豪華になりすぎて、貰った贈答品の大きな箱を空けたら、中は小さい茶葉の缶が一つだけ、ということもあります。

中国では、上海や北京などの大都市を除けば、家庭でコーヒーを飲む習慣はまだそれほど増えてはいません。粉末のインスタントコーヒーはスーパーなどで売っていますが、値段が比較的高く、毎日の飲み物としては普及していません。コーヒーは、あくまでお店で飲むものなのです。

日本では、コーヒー以外にもさまざまな種類の飲み物が手に入りますが、中国ではまだまだお茶が主流です。中国の飲茶文化は歴史が大変長く、お茶を飲む習慣は中国人の生活に溶け込んでいるので、他の飲み物がお茶に取って代わることはまだしばらく無いといえるでしょう。

日本のお茶は緑茶がほとんどですが、中国には非常に多くの品種と銘柄が有り、中国茶の世界は実に奥深いものだと言えます。

 

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茶杯(お茶専用カップ