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【文化篇】 中国の面食文化

「面食」とは、小麦粉(面粉)で作った食べ物を指します。日本では、麺類と言えばうどん、そば、ラーメンなどの細長い食べ物全般を指しますが、中国での定義はまったく異なります。中国では、見た目や形状で区別するのではなく、原料で分けます。したがって、細長い麺上の食べ物でも、「ビーフン(米粉)」は面食には入りません。ビーフンの原料はお米です。

では、中国の「面食」は、いったいどのくらいの種類が有るのでしょうか?代表的なところでは、“面条”(麺類)、“馒头”(蒸しパン)、“油条”(細長い揚げパン)、“饺子”(ギョウザ)、“包子”(中華まん)、“馄钝”(ワンタン)などが有ります。また、上海の“小笼包”(シャオロンポー)も大変有名です。

中国では、一般的に「北は小麦、南は米」と言われますが、小麦を原料とする「面食」は北方の方が種類が多いようです。広大な中国大陸では、主食の小麦を食べる方法として、さまざまなが作られました。

広義では、小麦粉で作られたものが「面食」ですが、中国人の日常生活の中では、たとえば“我们吃面吧。”(メンを食べよう)などと言う場合は、ほとんど“面条”のことを指します。“面条”の“条”は、細長いものを表すので、すなわち細長い麺類のことです。

 

中国の“面条”いろいろ 

ここでは、代表的な「面食」である“面条”を取り上げてみましょう。中国には、各地にたくさんのご当地麺が有りますが、ここでも代表的なものを紹介します。

 

“兰州牛肉拉面”

“兰州牛肉拉面”は、中国の“面条”の代表格と言っても過言ではありません。全国いたるところにお店が有ります。イスラム料理で豚肉は一切使いません。それどころか、イスラムの戒律によって店内に豚肉の持ち込みも禁止されています。麺は小麦粉をこねた大きな団子の塊を引っ張って作ります。スープは牛の赤味肉で取った出汁を使い、あっさり系で肉のうまみがしっかり出た美味しいスープです。トッピングには、しょうゆで煮た牛の赤味肉(チャーシュー)を入れます。

“牛肉拉面”は全国どこでも食べられますが、地方によって微妙に味付けが変わります。本場蘭州など、西北地方ではかなり辛めです。北京は透明の澄んだスープ、天津ではコクを出すためにカレー粉を入れていました。

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兰州牛肉拉面

“北京炸酱面”

“北京炸酱面”は、北京を代表する“面条”です。元々家庭料理だったので、以前は“炸酱面”を出す店は北京には有りませんでした。しかし、北京の崇文門に専門店ができて、かなり有名になりました。

“炸酱面”のソースは、豚のひき肉と玉ねぎ等を中華なべで炒め、水でといた赤味噌を入れて弱火で炒めて作ります。麺は、専門店のものは手打ちですが、家庭では乾麺を茹でて使うことが多いです。

最近は、日本でも冷凍食品の“炸酱面”をスーパーでよく見かけます。日本にもだいぶ浸透してきたのではないでしょうか。

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北京炸酱面

“山西刀削面”

“山西刀削面”も良く知られた“面条”です。小麦粉を練った大きな団子を手で持って、小さな包丁で削りながらお湯に入れて茹でていきます。“面条”といっても、“刀削面”は、かなり分厚い、歯ごたえのよい麺です。専門店に行くと、熟練の職人さんが麺を削る様子を見ることができます。麺の食感は、日本のすいとんに近いかもしれません。

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山西刀削面

“武汉热干面”

“武汉热干面”は中国では有名ですが、日本ではほとんど知られていません。茹でた細麺に、ゴマペースト、ごま油、しょうゆ、黒酢などをかけて食べます。薬味には、刻んだ葱、ザーサイなどを使います。また、豚のひき肉を入れる場合もあります。

いわゆる汁なし麺の一種で、見た目は“炸酱面”に近いですが、味付けは全く異なります。本場の武漢では、朝食としてお店で食べることも多いようです。

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武汉热干面

杭州片儿面”

杭州片儿面”は、杭州の有名レストラン“奎元馆”の名物料理です。“奎元馆”は、1867年(清同治六年)開業の老舗で、かつては蒋経国、李済深、梅蘭芳金庸などたくさんの有名人も訪れた名店です。

“片儿面”は、しょうゆベースのタンメンで、細めんに、たけのこ、豚の赤味肉、雪菜の漬物などをトッピングします。雪菜は、江南地方特産の野菜で、味は日本の高菜に似ています。雪菜の塩味がよく効いていて、日本人にも食べやすい麺です。

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杭州片儿川

“昆山奥灶面”

“昆山奥灶面”は、上海と蘇州の中間に位置する都市、昆山のご当地麺です。しょうゆベースのあっさり系スープに細めんで、トッピングには素揚げした豚の骨付き肉や、魚のから揚げを入れます。特に豚の骨付き肉が入ったものは、上海では“大排面”と呼ばれます。“大排”は豚の骨付き肉のことです。しょうゆベースのスープはちょっと甘めの味付けで、日本人の口によく合います。上海は甘い料理が多く、北方や西北に比べ非常に食べやすい味付けです。

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昆山奥灶面

一説によれば、麺の発祥地は中国人という話ですが、イタリアでも同じことを主張しているそうです。もっとも、発祥地かどうかは別にしても、麺類の本場中国には、じつにさまざまな“面条”が有ります。みなさんも、本場の“面条”を味わってみてはいかがでしょう?