補語は、数多い中国語の文法事項の中でもとりわけ重要で、中国人の会話においても頻繁に使用されます。
補語は述語動詞や形容詞の後に置かれ、その意味を補完します。ある動作(動詞)がどのような様態でなされたか、あたどのような状態にあるかについて説明するときに「様態補語」を用います。
具体的には、動詞・形容詞のすぐ後ろに“得”を置き、その後に前の動詞・形容詞の意味を説明する補語成分を付け加えます。文型は下記のようになります。
【肯定文】
主語 + 動詞 + “得” + 補語(形容詞)
他起得早。
(彼は起きるのが早い)
妹妹跑得很快。
(妹は走るのがとても速い)
「様態補語」の多くは形容詞(のフレーズ)ですが、主述フレーズや補充フレーズも使われます。
同学们跑得满身都是汗。
(生徒たちは走って体中あせびっしょりです)《主述フレーズ》
哥哥踢足球踢得好极了。
(兄はサッカーがものすごく上手です)《補充フレーズ》
【肯定文】動詞が目的語を伴う場合
動詞が目的語を伴う場合は、下記のように動詞を繰り返します。その後に“得”を置き、補語成分を付け加えます。
她说汉语说得非常流利。
(彼女は中国語を話すのが大変流暢です)
姐姐弹钢琴弹得很好。
(姉はピアノを弾くのがとても上手です)
目的語の前にある動詞は省略できます。
她(唱)歌唱得很好。
(彼女は歌を歌うのが上手です)
動詞が目的語を伴う場合は、目的語を主語の前に出すこともできます。また、動詞の前に置いてもかまいません。
汉语她说得非常流利 / 她汉语说得非常流利。
【否定文】
否定形は、補語の前に“不”を置きます。動詞の前に置いてはいけません。
主語 + 動詞 + “得” + “不” +補語
または
主語 + 動詞 + 目的語 + 動詞 + “得” + “不” +補語
他吃得不多。
(彼は小食だ)
他吃东西吃得不快。
(彼は食べるのが遅い)
【疑問文】
肯定文の補語の後に“吗”を付け加えます
他跑得快吗?
(彼は走るのが速いですか)
她说英语说得流利吗?
(彼女は英語を話すのが上手ですか)
疑問詞の中では、“怎么样”のみ様態補語で使用できます。
她说得怎么样?
(彼女の話し方はどうですか)
你姐姐做菜做得怎么样?
(あなたのお姉さんの料理はどうですか)
その他、状態の程度を強調する様態補語には、下記のようなものがあります。
この場合は、形容詞の後に補語を置く形になります。
“~得很” “~得要命” “~得多” “~得不得了”
今天天气好得很。
(今日はすばらしい天気だ)
今天干了一天的活,累得要命。
(今日は一日働いて、ひどく疲れた)
在路上偶尔碰到了老朋友,他高兴得多。
(道でたまたま旧友に出会い、彼はすごく喜んだ)
这种酒的味道好得不得了。
(この種の酒はとても味が良い)
これはあくまで私見ですが、補語(と成語)は中国語の真髄とも言える表現方法です。すなわち「簡潔にして明解」と言う中国語の特色をよく表しています。ぜひマスターして使ってみてください。
補語を上手に使うことで、ネイティブの中国語により近づけるようになると思います。