アベノ中国語道場

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【文化篇】 中国料理の食材 -その1-

以前の【文化篇】では「中国料理」をテーマとして、中国各地の料理や代表的なメニューを紹介しましたが、今回は中国料理の「食材」について取り上げたいと思います。

中国では、俗に「四足は机と椅子以外、空を飛ぶものは飛行機以外みな食べる」と言われます。外国人から見ると悪食と思われるかもしれませんが、中国人は実にさまざまな食材を調理して食べています。中には日本人の想像もつかないようなものも有りますが、そういう変わったものをなぜ食べるのでしょうか?一言でいえば、それは「美味しい」からにほかなりません。世界中の民族にはそれぞれ独自の「食文化」があり、また味覚の違いもあります。中国人にとっては美味しいものでも、日本人の口に合わないものがあってもおかしくはありません。

それでは、たくさんある中国料理の食材の中から、代表的なものを紹介していきましょう。

 

食肉類(獣肉)

 

豚肉

中国料理の中で「肉」と言えばまず「豚肉」を指します。豚肉は、中国語では“大肉”と言って、特n大切に扱われています。恐らく、世界の中で最も豚肉を消費しているのが中国ではないかと思います。それほど中国人は豚肉が大好きなのです。中国料理の肉料理のメニューも、豚肉が中心となっています。

昨年(2019年)に中国でアフリカ豚コレラが流行しましたが、その影響で豚肉の価格が急騰し市民生活を直撃しました。豚肉の価格が高すぎて一般の中国人が買えなくなってしまったのです。こうした状況を受けて、中国の中央政府はただちに対策に乗り出しました。豚肉の輸入を大幅に増やし、市場価格を安定させる政策を取ったのです。なぜなら、豚肉を常食とする中国人民に安定した価格の豚肉を供給するためです。中国人にとって豚肉はそれほど重要な食材なのです。

中国料理の中で豚肉料理は非常にたくさんの種類が有りますが、代表的なものを挙げると“回锅肉”、“东坡肉”、“鱼香肉丝”などが有ります。

“回锅肉”は最近日本でもポピュラーになってきました。日本では「ホイコーロー」と呼ばれます。豚の脂身を使った料理で、本場のものは非常に脂っこいです。

“东坡肉”は杭州の名物料理で、日本で言う「豚バラの角煮」です。北宋の政治家で詩人の蘇軾(東坡)の考案した料理で、彼の名が付けられました。

“鱼香肉丝”は四川の名物料理ですが、豚の細切り肉を魚に見立てた料理で、名前と異なり魚は入っていません。魚の少ない山国の四川省で、魚料理の代わりにつくられられた肉料理です。

 

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东坡肉

牛肉

以前は、中国料理の牛肉料理はそれほど多く有りませんでした。しかし最近は、中国人の所得向上につれて食生活も豊かになり、牛肉の消費量も格段に増えています。最近では、特に鍋料理(火鍋)で牛肉をよく食べるようになりました。元々中国の牛肉は農耕に使われる牛をつぶした肉を食べていたそうで、赤味ばかりで肉質も硬くお世辞にも美味しいとは言えませんでした。しかし、最近は肉牛も養殖されるようになり、適度に脂の乗った牛肉が食べられるようになりました。脂の乗った牛肉は中国では“肥牛”と呼ばれます。

中国料理の中の牛肉料理はそれほど多くありません。代表的なものは“水煮牛肉”、“酱牛肉”などが有ります。

“水煮牛肉”は四川料理の一品で、牛赤味の薄切り肉とねぎ、しょうがなどの野菜を唐辛子、山椒などの香辛料で煮込んだ料理で、四川らしくかなり辛い味付けです。

“酱牛肉”は、牛肉をしょう油で煮込んだもので、日本のチャーシューに近い料理です。主に前菜として出されます。

その他、有名な“兰州拉面”(蘭州ラーメン)には豚肉ではなく牛肉が使われ、牛肉ラーメンとも呼ばれます。蘭州ラーメンイスラム教徒の料理なので、豚肉は使いません。

 

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酱牛肉

羊肉

中国料理の中で、羊肉はおもにイスラム教徒やモンゴル族などの少数民族の料理に使われます。そして、羊肉料理は地域的には西北に多く見られます。中国にも回族やウィグル族、キルギス族、タジク族など、イスラム教徒の少数民族が暮らしています。彼らはイスラム教の戒律から豚肉を食べないので、主に羊肉を食べています。それから、内蒙古自治区に多く住んでいるモンゴル族も羊肉を食べています。彼らの場合は、羊の遊牧で生計を立てているからです。

羊肉の料理としては、ウィグル料理の“羊肉串”、“新疆拌面”、“肉夹馍”などが有名です。さらに忘れてはならない羊肉料理にモンゴルの“涮羊肉”が有ります。

“羊肉串”は羊肉の串焼きで、ウィグル族の有名な料理です。“新疆拌面”もウィグル料理で、小麦粉を練った太い麺にトマトベースのソースで野菜や羊肉を炒めて上から掛けた麺料理です。見た目はスパゲティーに似ています。ここで使われる肉は羊肉です。

“肉夹馍”は、西北地方でよく食べられている料理で、中国風ハンバーガーと言えます。小麦粉で作ったパンに羊肉のパテを挟んで食べます。味付けはかなり辛いです。

そして、“涮羊肉”は羊肉のシャブシャブで、専用の鍋にお湯を張って羊の薄切り肉をシャブシャブして食べます。付けダレは甘くないゴマダレを使います。

 

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涮羊肉

家禽類

 

鶏肉

鶏肉は中国人も大好きな食材で、多くのメニューが有ります。西側諸国のファーストフードの内、中国に最も早く進出したのがアメリカのKFCだそうで、全国に店舗を広げ大成功しました。きっと鶏好きの中国人に受けたのでしょう。今やKFCは、マクドナルドと並ぶ二大ファーストフードとなっています。

鶏料理には、“宫保鸡丁”、“辣子鸡”、“白斩鸡”、そしてウィグル料理の“大盘鸡”などが有ります。

“宫保鸡丁”は日本でもポピュラーになりました。“辣子鸡”は四川料理の一品で、油で揚げた鶏モモ肉を唐辛子や山椒をまぶして味付けしたものです。とにかく加える唐辛子の量がハンパでなく、四川らしいパンチの効いた料理です。

“白斩鸡”は鶏を丸ごと茹でたシンプルな料理です。付けダレは生姜の利いた醤油ダレを使います。元々広東で生まれたの料理ですが、なぜか上海の名物料理になっています。上海には“白斩鸡”を出す店がたくさん有ります。

“大盘鸡”は鶏肉とジャガイモの煮込んだものを、皿ではなく大きな金属製のトレイに入れて出します。“大盘”とはトレイのことを指します。

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白斩鸡

ヒル

中国では、鶏肉以外にアヒルの肉も盛んに食べられています。日本では鴨でしょうが、中国で“鸭(子)”と言えばアヒルを指します。

ヒル料理で有名なのは、何と言っても“北京烤鸭”(北京ダック)でしょう。その起源は明王朝初期の南京に遡るそうです。明朝第3代皇帝の永楽帝が南京から北京に持ち込んで以来、北京で発達したということです。中国で最も有名な老舗は北京の“全聚德”です。日本の高級中華店で食べたらゆうに1万円はするでしょうが、本場北京では一人3000円も出せばで腹いっぱい食べられます。

その他には、杭州の“酱鸭”,安徽省の“老鸭汤”、ちょっと変わったところでは“啤酒鸭”が有ります。“啤酒”はビールのことですが、アヒルを丸ごとビールで煮込んだ料理です。発生は清朝前期、康熙帝の時代だそうです。

また、中国料理の前菜として有名な“皮蛋”(ピータン)は、アヒルの卵の燻製です。

 

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北京烤鸭

その他には、ガチョウ、鳩、スズメなどの食材が有ります。「飛行機以外は何でも食べる」と言っているくらいなので、それこそ鳥類はほとんどみな食べるのではないでしょうか。