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【知識篇】 中国語の人物呼称

以前の【知識篇】で、中国語の親族呼称を取り上げましたが、今回は一般的な人物呼称について解説したいと思います。「親族呼称」とは、家族や親戚の間での呼び方ですが、それ以外にも、一般社会、例えば職場や学校、地域コミュニティなどにおいて、いろいろな呼び方が有ります。また、呼称の中には、フォーマルな呼び方、或いは親しみのこもった呼び方などの違いが有ります。

では、社会的な呼称にはどのようなものがあるか見ていきましょう。

 

職場での呼称

 

職場での相手に対する呼びかけは、基本的に相手の姓と役職で呼びます。

例えば、

 

刘经理 (マネージャー、日本の「部長」に相当)

王主任 (主任)

李所长 (所長)

张科长 (日本の「課長」に相当)

 

などが有ります。また、会社の社長は“总经理”ですが、一般には省略した形で呼びます。

 

徐总(经理) 

 

同じ会社や役所の中では、同僚に対し親しみを込めて下記のような呼び方をします。

 

老马 (目下の者から目上の者に対し)

小孙 (目下の者から目上の者に対し)

 

工場や生産現場で働く工員や技術者に対しては、姓の後に“工”を付けます。“工程师”(技師、エンジニア)の略称です。小さな工場などでは、先輩から技術を教わることが多いですが、その場合は先輩対し敬意を込めて“师傅”と呼びます。これは、古い時代に徒弟制の職人の間で使われた呼称ですが、現在も残っているようです。

以前北京のある書店に行ったときのことですが、書店内で若い店員が年配の同僚のことを“老师”と呼んでいました。“老师”は、一般に学校の教員のことを指しますが、これは一種の転用だと思われます。この場合も、もちろん相手に敬意をはらう「敬称」です。

 

学校での呼称

 

学校内では、学生は教師のことを“老师”と呼びます。校長は“校长”、学院であれば“院长”と呼びます。

学生同士では、普通は名前で呼び合います。一文字の名前であればフルネーム、二文字であれば名前或いはフルネームで呼びます。中国語には、日本語のような「~さん」や「~くん」に当たる呼称がないので、相手の名前を呼び捨てにしても失礼にはあたりません。

また、大学院では、同じ指導教員に師事する学生は、その教員のことを“师父”,教員の妻を“师母”と呼びます。また、先輩、後輩の間では下記のような呼び方をします。

 

师兄 (男性の先輩に対して)

师姐 (女性の先輩に対して)

师弟 (男性の後輩に対して)

师妹 (女性の先輩に対して)

 

先輩と後輩の決め方は、先に教員に師事した方が先輩になります。この場合、実際の年齢は関係有りません(ある意味吉本興業と同じシステムです)。

 

一般社会での呼称

 

上記の呼称以外に、社会の中では下記のような呼び方があります。

 

“先生”

改革開放以前の純粋な共産主義時代には、社会的な呼称はすべて“同志”でした。この場合男女の区別無く呼んでいました。しかし、市場経済が進んで社会が徐々に開かれてくると、“同志”はすっかり廃れてしまいました。変わりに登場したのが“先生”です。しかし、これは新しい呼称ではなく、新中国以前にも使われていたもので、それが復活したのです。“先生”は日本語の「~さん」に当る呼称で、主に男性に対して使われます。ただし語感としてはやや硬い印象があり、ビジネスや外国人に対して使われることが多いようです。

 

“小姐”

“小姐”は新中国以前に使われていたもので、近年になって復活してきた呼称です。元々(中華民国期)に、資産家や高級官僚、軍人の家などで、使用人たちがその家の令嬢に対して使う呼称でした。現在では、広く若い女姓に対して使われますが、お店の中で女性店員に対しても使われるようになりました。この場合は、自分と相手の年齢は関係有りません。

一時期は、夜のお店で水商売の女性に対して盛んに使われたので、あまりよいイメージがありませんでした。しかし、現在は少しずつ広がってきているようです。

 

“阿姨”

“阿姨”は、子供が成人した女性に対して使う呼称です。日本語の「おばさん」にあたりますが、対象は20代の若い女性から40代くらいまでかなり幅が広いです。“阿姨”も一種の尊称で、子供の大人の女性に対する親しみや敬意の気持ちが込められています。したがって、若い女性であっても、子供から“阿姨”と呼ばれると、自分が大人の女性として見られているという嬉しさがあるようです。日本語の「おばさん」とはずいぶん異なります。

また、家政婦さんやホテルの従業員も“阿姨”と呼ばれます。中国の大学にはたくさんの外国人学生が留学していますが、各大学の留学生宿舎でも、外国人留学生が女性従業員を“阿姨”と呼ぶことが多いようです。

 

年配者に対する呼称

 

中国では、宗族主義の観点から年配者が非常に大切にされています。したがって、年配者に対する呼称もあります。

一般に、おじいさんに対しては、“老大爷”、おばあさんに対しては“老太太”或いは“老大妈”という呼称を使います。また、男女の区別の無い“老人家”という呼び方もあります。

これは、親族内で使われる“爷爷”、“老爷”、“奶奶”、“姥姥”とは異なるもので、他人に対して使われる呼称です。

また、社会的地位の高い年配者、例えば学者や文化人、芸術家などに対しては、相手の姓の後に“老”をつけて、“张老”、“周老”と呼びます。これは、相手に対する高い敬意を表した呼称です。

 

以上のように、固定した親族呼称と違い、社会的な呼称は時代ともに変わってきました。特に、中国の社会では、1949年の新中国建国以来社会主義となり、中国社会も大きな変化を遂げました。それから30年後には、改革開放と市場経済の導入というまた新しい変化が現れました。

社会における呼称は、その社会の変化とともに変わっていきますので、今後も新しい呼称が生まれるかもしれません。