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【文化篇】 中国の大学 -前編-

中国の大学を含む高等教育機関は2020年の時点で2,738校に上り、その内訳は、“本科院校”1,270校、“专科院校”1,468校となっています。

中国では、“高等学校”は大学等の高等教育機関を指し、中学・高校は併せて「中学」と呼ばれます(中学は“初级中学”、高校は“高级中学”)。

“本科院校”とは本科教育を行い、“专科院校”は専門教育を行うという風に区別されています。“院校”とは、“学院”(単科大学/College)と“大学”(総合大学/University)を併せた名称です。

 

中国の近代的な大学の起源をたどると、最も古い大学には下記の4校が有ります。

 

斎魯大学(Cheeloo University) 1864年山東省に設立

聖約翰大学(St. John’s University) 1879年上海に設立

北洋大学堂 1895年天津に設立、天津大学の前身

京師大学堂 1897年北京に設立、北京大学の前身

 

上の2校は外国人により設立され、下の2校は中国人により設立された大学です。このうち、国立の総合大学としては京師大学堂が最も古い大学となります。

新中国建国前(1949年以前)の大学は、その多くが民間設立による私立学校として設立されたものです。そして、多くの私立大学は新中国建国後に国立大学に改組されました。

 

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京师大学堂

上記のように、中国では総合大学だけでも1,000校以上あります。では、どのような大学が人気が高いのでしょうか?

この点については、毎年、研究機関や企業による“大学排行榜”(大学ランキング)が発表されています。

その中で、“上海软科教育信息咨询有限公司(Shanghai Ranking Consultancy)”によるランキングデータを紹介しましょう。同社は2009年に上海で設立された教育コンサルティング企業です。中国では、大学ランキングデータの中でも比較的影響力を持っているデータソースとなっているようです。

以下は2021年度のランキングデータです。

第1位 清華大学

第2位 北京大学

第3位 浙江大学

第4位 上海交通大学

第5位 南京大学

第6位 復旦大学

第7位 中国科学技術大学

第8位 華中科技大学

第9位 武漢大学

第10位 西安交通大学

このランキングを見ると、上位5位には古くから続く名門校が多数見られます。もちろんランキングの順位は毎年入れ替わりはありますが、おおむねこの5校が上位を占めています。1位と2位は北京大学清華大学の2校が争っています。北京大学は、中国における最高学府で、日本では東京大学に当たります。しかし、近年では清華大学の方が人気が高く、北京大学を追い抜くことが多いようです。

7位と8位には比較的歴史の新しい大学がランクインしています。7位の中国科学技術大学は1958年に北京で設立されました。この大学は、自然科学分野では中国最高の学術機関である「中国科学院」に直属しています。自然科学分野の研究では、中国でもトップクラスに位置する大学でしょう。また、8位の華中科技大学は、1950年に設立された華中工学院を前身とし、2000年に他の大学と合併し現在の名称に改称されました。

ランキングを決定する要素の中で、大学内の研究者が発表する学術論文数が有ります。これは、研究機関としての各大学の実力をはかる重要なポイントになっています。より盛んに研究を行う大学が上位にランキングされやすいと言えるでしょう。

 

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北京大学

日本と中国の大学では、どのような違いがあるのでしょうか?

まず、新学期の始まる時期が異なります。日本は4月ですが、中国は9月です。

さらに、大学の基本的な制度が異なります。日本は大学の中に学部を設置する「学部制」ですが、中国は、大学の中に「学院」(単科大学/カレッジ)を置く「カレッジ制」を取っています。この「カレッジ制」はアメリカの大学と同じシステムで、中国の大学はアメリカの影響が大きいのかもしれません。

また、学生の住居に関しては、日本の大学では地方から来ている学生はすべて学外に自分で部屋を借りますが、中国の大学では敷地内に学生宿舎があり、原則として学内に寄宿します。一部の地元学生は自宅から通う場合もあるようですが、学内での寄宿が基本となります。そのため、中国の大学は敷地が広大で、日本の大学とは比較にならないくらいです。特に学生数が多い大学は、大学自体が一つの街といってもよいほどの規模です。

その他にも、日本の大学では考えられないようなカリキュラムが中国の大学に有ります。それは、“军训”(軍事訓練)と“政治教育”です。“军训”は人民解放軍の現役軍人を教官に招いて行われます。その内容は、軍隊用布団の畳み方から、歩兵ライフルの組み立て方、更にはライフルや機関銃の実弾射撃も行われるそうです。要するに、解放軍での新兵訓練に準じた内容が大学の“军训”でも行われるのです。また、“政治教育”の内容は、“马列主义”(マルクス・レーニン主義)と言う社会主義の古典や、「毛沢東思想」、「鄧小平理論」などの国家主導者の著作を学びます。

これらのカリキュラムも中国の大学教育の一環ですが、当然日本の大学には存在しません。これは大学における相違点というより、日本と中国の国情の違いから来ていると言った方が正しいかもしれません。ちなみに、これらのカリキュラムの対象となるのは中国人の学生だけで、留学生は除外されます。

 

今回の「中国の大学-前編-」では、中国の大学における歴史、ランキングなどを紹介しました。次回の「後編」では、さらに中国の大学について掘り下げていきたいと思います。